中学受験のメリット
◆中学受験について、マスコミでその加熱ぶりが度々報道されるように、子供の将来を真剣に考える親に中学受験が注目されている。それは、近年になって施行された「ゆとり教育」や「学級崩壊」など公立校への危機感からである。かっては裕福な家庭の子供が私立中学へ進むことが一般的な傾向とされたが、最近は少子化の影響も相まって、中・低所得世帯のあいだにも中学受験が広まりつつあるのである。それに呼応するかのように私立中学側も費用を安くする傾向にある。また最近では、国立中学もほとんど学費が掛からないので人気が高いようである。
◆日本にある約700校の私立中学校のうち半数以上が、首都圏また京阪神地区に集中している。そういう背景もあり、現状では首都圏と京阪神地区の二極が中学受験のメッカとなっている。そのため、中学受験の塾の多数がこの二地域に教室を設け展開している。中学受験の入試問題は学校の授業だけではどうしても不足の部分があり、合格点にたどりつけないので、ほとんどの親がそういった塾に通わせている。
◆私立中学校の利点としては次の6点があげられる。1)教育レベルが違う。2)宗教教育カリキュラムに取り入れられているところがある。公立校では宗教教育を受けられないことから、信者家庭にとっては宗教系私立中学校に人気があるのである。3)高校への内部進学が可能である。4)大学への内部進学も可能。 し烈な大学受験を経験させずに大学までエスカレーター式に内部進学できるということにメリットがあると考える親は多いのである。5)また公立中学に比べて、いじめや校内暴力といった問題に巻き込まれにくい。6)ブランド価値が高いこと。学生生活で築かれる人脈なども金銭的なものには代えがたい財産になるということ。
◆しかしである。このように良い面ばかりではない。まず教育費が当然公立中学では無料だが私立中学では相当に掛かること。入学前の通塾費も必要になる。また高校・大学受験などと違って浪人することが事実上想定されていないため、中学受験には、プレッシャーが親子共にあること。また最大の問題は、無理して入学した後に落ちこぼれる危険性も少なからずあることである。ただ、このような受験をくぐり抜けた優秀な人間の中で揉まれ、人間の幅が大きくなるというメリットも大きい。極力良い環境のもとで学生生活に勤しんで貰いたいと願う親にとってみれば、中学受験は、ますます、すそ野を広げて加熱すると思われる。